ほやほやの新作
2008.04.09
猫や兎、子犬や子猿など、12点の愛らしい動物たちの、描きあげられたばかりの湯気の立つような、ほやほやの最新作が並びました。京都画壇を代表する日本画家である竹内浩一先生は、動物や植物をテーマに、淡く柔らかい色彩で、写実的な細密描写に象徴性を盛り込んだ画風が特徴です。ことに動物画に関しては、現代的な感性で独自の作品を描いてきました。
実は竹内先生の師は動物画の第一人者だった山口華楊ですし、その華楊の師も西村五雲という動物画の巨匠でした。竹内浩一の動物画は、この2人の師を凌駕する現代日本画の大いなる成果です。
今回、画家によって特別に描きあげられた12点の愛すべき動物たちの表情は、造形の妙味を幾重にも絡ませて、絵画のイメージを重層化させています。用意周到に趣向や伏線が張り巡らされていて、画家魂を感じさせるなかなかしたたかな小動物たちの表現だといえましょう。是非とも美術館に足を運んで自分の目で確かめてみてください。きっとご満足いただけることと思います。(学芸部)