【今週の1点】平松礼二「路-小菊雨晴」
2013.04.05
「江戸時代に生みだされた意匠は世界に冠たるものだったことは歴史が証明している。建築、家具、調度、用具、絵画、装飾品等は現在外国から最も熱い視線が注がれている。
江戸の鎖国は日本人の豊かな創造性を純に開花させた。私はそれらの中でも特に絵師たちによって創りだされた山川草木、花鳥風月の図案類や絵画に特別の関心をいだいている。
かねてから江戸意匠のエッセンスを現代絵画にとり入れられないかと考えていた。日本人が伝統として受けついでいる装飾性と現代のクールなリアリティを結合させたらどのような絵画が生まれるのか、私はこの作品で実験制作をしてみた。」(文・平松礼二)