【今週の1点】平松礼二「路-氷雨(ジヴェルニー)」
2013.04.12
「印象派の画家たち、クロード・モネ、ファン・ゴッホ、などがなぜ幕末日本の大衆娯楽であった浮世絵などに大きな影響を受けたのか、彼等の日本趣味とは一体何だったのかを探りたくて、数年前からフランスのジヴェルニーやノルマンディー地方へ旅するようになった。
取材の前線基地をジヴェルニーのモネ美術館に置いた。モネの美術館には彼のアトリエとモネが築いた広大な庭園がある。花の庭と日本風の池が見事に残されている。
冬の池畔にイーゼルを立て日本風の池に浮かぶ落葉を描いた。柳や楓などの落葉樹の落葉に私はあえてここにないもみじの葉を画面に埋めつくしてみた。モネの池のモティーフを六曲の金屏風、そしてもみじの葉とノルマンディーの光。私のねらい通りジャポネスクの帰郷を少しでも表現できたのだろうか。」<文・平松礼二>